東大生100人に聞いた「親がしてくれたメンタル不調の対策と効果」
https://resemom.jp/article/2024/05/01/77000.html
(ReseMom 一部抜粋・編集)
東大に合格するような子供が育つ家庭では、親のさまざまな工夫が行われている場合が多い。勉強面だけでなく、生活面やコミュニケーションの面から、ほかの家庭とは少し異なる距離感や働きかけが見られる。
筆者(中高生指導の東大生集団 カルペ・ディエム代表 西岡壱誠)は『自分から勉強する子の家庭の習慣』(すばる舎)を上梓した。これは、東大生100人へのアンケート結果をもとに、東大生の親が子供とどのように接していたのかについて概観するものだ。今回は、子供のメンタル不調への対応について共有したい。
東大に合格した受験生たちの中にも、メンタル面で不調になった経験がある人は少なくない。特にこの5月は、五月病と呼ばれるメンタル不調が発生しやすい時期だ。
子供の生活リズムを整えるコツは?
今回あらためて調査してみたところ、メンタルの不調を解消するためには、まず「子供の生活リズムを整えること」に努めていた家庭が多かった。
「起きなきゃという気持ちはあるのにしんどくて起き上がれない」などと訴えるお子さんに対して、「それなら気が済むまでゆっくり寝ていれば?」と、昼過ぎまで眠ることを認める家庭は多い。
しかし、実はこれは逆効果だと言える。人間は朝、日光を浴びることによって、脳内にセロトニンという物質が分泌される。セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、怒りや焦り、不安などネガティブな感情を抑え、精神を安定させる効果があると言われている。このセロトニンが活発に動くことで、気分が向上すると共に、夜、ぐっすり眠るために必要なメラトニンという物質の大切な材料となるのだ。
逆に夜の時間はあえて部屋を暗くする。夜間にブルーライトなど明るい光を浴びると、脳が昼間だと勘違いし、メラトニンの分泌が抑えられてしまう。子供がもし遅くまで起きていたら、「大丈夫?」と声を掛けたり、こうした体の仕組みを説明してみたりするのも良いだろう。
東大生の親が実践した不安や悩みへの積極的な寄り添い方
もっと積極的なメンタル回復方法を実践している家庭もあった。それは、「一度、悩んでいることをすべて思い浮かべてもらう」というものだ。たとえば東大生の親の中には、紙とペンを用意して、「今、あなたが不安に思っていること、負担だと考えていることを全部ここに書いてみよう」と声をかける事例もあった。
そうやって10個でも20個でもあげてみると、自分の不安や悩みが一体どういうものなのかが可視化できるようになる。そして、その1つ1つに、ポジティブな表現で返してみると、具体的に不安や悩みを聞いてもらえたことで、子供は親に共感された、理解してもらえたと安心し、それだけで回復が早まるケースは少なくない。
子供がメンタル不調に陥ると、親の方は心配のあまり焦ったり、過度な不安に苛まれたりする。新学期から1か月が過ぎ、子供たちには疲れが見え始める頃だ。もし、お子さんが今、心のSOSを発信していたら、この記事が少しでも参考になれば幸いだ。