昭島市にお住いの方々、いつもお世話になっております。
昭島市にある、個別指導塾 けいおう学院 中神南教室の尾作です。
今回も連載シリーズで前回の続き、【9教科の勉強の目的って何??その➁】をお送りいたします。
前回、勉強には実生活で役に立てる知識【形式陶冶(とうや)】とそれを学習する中での裏設定の様なものを身に着ける力【実質陶冶(とうや)】とが有るんだよ。と述べました。主要3教科はこの前述べましたが、本日述べる理科・社会、体育など実技4教科は、
「別にミュージシャンやスポーツ選手になる訳じゃないんだから、学校でやらなくていいじゃない!?」
「歴史とか昔のこと覚えったって意味ないからいいじゃん!」
「科学とか意味不明!好きな奴だけ勉強してればいいじゃん!!」
と、特にその教科の苦手な子どもたちは言いそうですよね(笑)
しかしながら、きっちりと陶冶は存在します。
若干、話はそれますが上の言い訳の一つ、「好きな奴だけ勉強してればいいじゃん!!」はかつて、この考えのもと教育制度を実施した国がありました。
その国とは、「アメリカ」です。
アメリカは1960年代から教育を大幅に自由にした『カフェテリア方式』を採用しました。生徒が好きな教科を自由に選択してよいシステムです。その結果、生徒の好きな体育・音楽に人気が集まり、数学など地道に学習しないと身につかない教科を勉強することなく卒業という事態にもなり、大学生の1~2割はしっかりとした読み書きができない状況になったと言われています。また、追いうちをかけたのが、1970年代のベトナム戦争の敗北です。これにより、国力低下、国際競争力低下、国の衰退の危機に立たされ、1980年代、レーガン大統領は「レーガノミックス」(強いアメリカの復活)を打ち出し、教育に力を入れるようになりました。その基本となり参考にしたのが、アジアの教育(詰め込み教育)です。詳しい因果関係は不明ですが、アメリカがカフェテリア方式を採用した時期に先進国の青少年の自殺率は上昇したのに対し、詰め込み教育を行っていた日本では下がったというデータも存在します。恐らく、ブログ連載シリーズの一回目に申した、「人生を豊かにする為にする!」というところの豊かにする術の幅が好きな教科を自由に選択してよいなどとした為に狭まり、起こってしまったことだのだと思います。
そうならないためにも、各教科の2つ陶冶を知っておくと勉強への意図が見え、多少ですがはかどると思います。
それでは、本題へ行きましょう!!
若干、私の主観も混じりますがご了承ください。
【理科】
日本はかつて資源の為に戦争もした国です。最近は日本近海で天然ガスがシャーベット状になった「メタンハイドレート」なども注目されておりますが、資源の無い国において科学技術を発展させることは、日々の生活はもちろん、国を繁栄していくうえでも重要です。
実質陶冶※以下実:身の回りの「当たり前」の事を、「なぜだろう?」「何だろう?」という疑問を持ち、科学的に探求する力を育む。
形式陶冶※以下形:科学的な事象を理解して実生活で活かす。「物を燃やすには酸素が必要」などの生活の知恵などを知る。
【社会】
社会科そのものは戦後生まれた教科です。地理歴史などの内容を理解することが最大の目的であると誤解されやすいですが、本来は、世の中を理解し、国民として社会を創造していく力を育てることが目的です。ちなみに私は、社会科の教員免許を持っております。
実:社会を創造していく力を育てる。地理=生活環境、歴史=生活環境の背景、公民=民主主義のルールを学ぶことを背景に育む。
形:現在の世の中がどのように形成されているのかを多角的にまず知って覚える。
【美術】
私は絵心が無くて学生時代は非常に苦手でした(笑)しかし、後述の音楽と共に古来から「人間の文化形成」において芸術は切って離す事はできません。動物と人間の大きな違いの一つに「芸術を楽しむ」という事があります。
実:『「ゼロ」から物を創り出す』という答えのない想像力を養う。
形:頭の中で描いている物を「言葉でなく、視覚的に絵や形に起こす」という技術を磨く。
【音楽】
音を感じる事は、生物の大切な五感の一つです。何かを作業するにおいても、コミュニケーションにしても「リズム」は大切ですし、先ほどの美術同様、音楽は芸術の一つです。
実:情操を「聴覚」を通して養う。合奏、合唱などでチームワークの大切さを学ぶ。
形:リズム感を楽器・声楽を通して学ぶ。その国の文化を知る。
【保健体育】
身体を動かすことは健康において大切ですし、競技を通じてチームワークの大切さも学べるでしょう。また、保険の分野は急な事故に対しての応急処置の方法や、命を繋ぐための性教育も為されます。
実:競技を通じてチームワーク、ルールの大切さを学ぶ。命の大切さを科学的な見地から学ぶ。
形:体を動かすことで心身を鍛えることで、健康の維持と体力の増強をする。
【技術家庭】
人間が実際に生活する上での実践的な部分の基礎的な技術、知識を学ぶ教科です。最近は一部の小学校でも「家庭科教諭」という担任とは違う専門の先生が置かれるようになりました。文科省が昨今掲げている『生きる力』を育むには、この教科がカギを握っているのでは?と個人的には思っております。
実:日々の生活での社会とのつながりや、社会人として生活するにあたりどう展望し生きるかを学ぶ。
形:ものづくりや衣食住に関する実践的な事を体験し学ぶ。
ざっと、簡単に一通り挙げましたがこんな所ではないでしょうか。
東京都の入試は、入試制度が二年前に変わり実技4教科の内申も高く見るようになりました。そのためにも、どの教科も得意・不得意はあって当たり前ですが、自分なりに一生懸命に学習に励んでほしいものです。
今回は前回に比べて長くなりましたのでここまでとし、今回のシリーズの最終回、「人生を豊かにするとは?」をお送り致します!