昭島市にお住いの方々、いつもお世話になっております。
昭島市にある、個別指導塾 けいおう学院 中神南教室の尾作です。
中間テストも終わり、結果も返されましたが「夏期講習から引き続き頑張れた組」「夏期講習から気が抜けてしまった組」とで概ねではありますが結果が二分したのかな?と感じます。お子様のモチベーションの維持・向上と学力の向上に今一度気を引き締めて、教室長並びスタッフ一同取り組んでまいります。
さて、今回のブログでは子どもたちの勉強の中身の変遷を「教科書」にスポットを当てて述べてまいります。
ちなみに、「教科書」という言葉は略称で本当の言葉は【教科用図書】が正式名称なんです。ちょっとした豆知識としてどこかでお披露目してみてはいかがでしょうか?(笑)
それでは本題に入りますが、いわゆる「ゆとり教育」というのはいつからスタートしたのか?という事から入りたいと思います。
一般的には1970年代から80年代までの詰め込み教育を見直す為にスタートし始め、2000年代まで行われたと言われています。しかしながら、昭和30年代(1955~1965)の頃の中学生の数学では、現在は高校で習う三角関数(サイン・コサイン・タンジェント)の計算も学習していました。その頃から厳密にはゆとり教育はスタートしていましたので、言うなれば戦後教育を受けた60歳代の方から以降は広い意味で【ゆとり教育世代】とも言えます。
ただ、このスピードに拍車がかかったのが、1992年・2002年の学習指導要領の改訂と言われています。1992年は月の第2土曜日が休日となり、2002年では現在のように完全に土曜日も休みとなりました。それに伴い、教科書の中身も薄くなり、中学の数学で言えば、現在では高校1年生で習う一時不等式も中学生の時に学習するものでした。ちなみに私は、1998年に中学校を卒業しておりますので、若干、世間一般のゆとり教育を受けている世代になるかと思います。少し話が逸れましたが、この様に年々、教科書・学習内容は1950年代から徐々に「薄く・簡単に」改定されてきました。
これが転機となるのが今からおよそ10年前の平成17・18年度の学習指導要領の改訂です。ここから年々教科書の中身は増していき、一番薄かった頃に比べて30%ほど増しました。私が中学生の頃よりも学習内容は多いとも考えられます。それなのに、土曜日は原則お休みでとなると子どもたちは勉強の中身を吸収するには大変かと同情したくなります。
次に、英語を例に、教科書内容と入試内容とを比較していきます。英語は単純比較する事は出来ないのですが、中3の後半で習う単元の文章の単語数と都立入試で例年出題される長文問題の4との単語数の違いは、入試問題の方が約3.4倍多い事が分かっています。学校の授業では、教科書内容を2~3時間かけ読んでいきますが、入試問題は4だけでは有りませんので、せいぜい20分以内で解かなくてはなりません。しかも、一つひとつの英文の難易度は同じくらいです。また、現在の入試問題と70年代の入試問題とを比較すると、長文問題の英文の量は約1.5倍、現在の方が多い事が分かっています。しかしながら、文法的な問題は70年代の入試の方が難しい事も分かっています。
それでは、教科書の勉強だけで入試問題は解けるのでしょうか?
今までの話をお聞きするまでは、「ゆとり教育の舵は切られたばかりだし、教科書内容が質・量共に削られて中学生の勉強の負担は軽くなったから、受験勉強も楽になっているのでは?」とお考えの方もいらしたと思います。しかしご説明の通り、残念な事に楽にはなっておりません。保護者の方々が中学生だった頃(ご年齢を40歳代と仮定します)、団塊ジュニア世代で「受験戦争」真っ只中であり、その後「ゆとり教育」に拍車がかかった訳ですが、入試問題は比例してやさしくはなりませんでした。むしろ、教科書内容から比べると「難しくなった」といって過言では有りません。そうでしたので、前述のような英語の入試問題の現象が発生したのです。これは、5教科全てに言える事です。つまり、「教科書だけで勉強しても、入試問題を完璧に解く事は難しい」と言えます。
当然、「受験戦争」は更に加熱します。大学進学率の高い都立高校は自校作成(近隣では立川・八王子東・国分寺・国立)での入試ですと、内申書はオール5に近い物が要求され、教科書内容を完璧に学習すると共に「プラスα」の勉強をしなくてはならなくなります。有名私立進学校となれば、高校内容に関わってくる物も学習しなくてはなりません。
若干、話は逸れましたが、昔なら教科書中心の受験勉強である程度の高校には合格できましたが、今はそうでは有りません。以前は、教科書に出てくる難問と入試の難問は同レベルでしたが、現在は教科書の難問レベルは、入試問題の普通レベルの問題と考えてよいです。ただし、普通の学力レベルの都立高校(素内申で35前後まで)を希望するのであれば、ほぼ教科書中心の受験勉強で十分と私は考えます。
以上の事から、受験はまず「教科書を完璧にマスターして、さらに学習参考書を使い勉強をしたり、学習塾などを活用したりした方が有利ではある」と私は考えます。それは、テストはおよそ6~7割は基本的な問題で構成される物だからです。今後の勉強として基礎・基本をまずはマスターすることに心がけてほしいです。
と、教科書の中身に絡めて最後はちゃっかり勉強法のお話も触れさせていただきました(笑)
けいおう学院は勉強のやり方もアドバイスさせていただいております。そのやり方は決して「誰もが高得点になる!」と言えるものではありませんが、1つのヒントとなればとこの夏に内部生の子たちにアドバイスいたしました。
今後もドンドン塾を利用していただき、力になります!
今月のブログは以上です。
次回にご期待ください!!