先日とある集まりの懇親会での話です。
居酒屋で飲み放題が振舞われまして、瓶ビールが各テーブルに行き渡ったのですが、飲んでいるうちにみんな酔ってしまったせい
か、肝心の「栓抜き」が見当たらなくなってしまったのです。
目の前に瓶ビールはある。空になったグラスもある。注いであげたいが、栓があけられない・・・ 😕
しょうがないから店員さんを呼ぼうと思って振り返った時のことです。
背後からダークスーツ姿の男性が颯爽と現れまして、
ポケットからキーケースを取り出すと、おそらく家のカギなどがたくさんかかっている中から「栓抜き」を選び、目の前のビールの栓をスポッとぬいてくれました。
その姿は、ホントかっこ良かったですね。
私が女性だったら惚れていたことでしょう 😛
「店員さんじゃないのに何で栓抜きなんて持っているんでか?」
と聞いたところ、自分のスーツの胸に光るバッチ(社章)を指差されました。そこには、きらりと光る「A」の文字が。 😎
「A」ビールの社員さんだったんですね。どうりで・・・
その方は、そのまま無言で去っていきました。
彼の背中が輝いて見えたのは言うまでもありません。 😆
ビール会社の営業マンが栓抜きを携帯しているというのは、もしかしたら業界では当たり前のことなのかもしれません。
でも、その世界にいない人間にとっては、とっさの時にそれが出てくると「おお!」「すごい!」と思いますよね。
ただの栓抜きが、まるで魔法の杖のように見えてしまいます。
NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」という番組があります。
個人的には、わざわざDVDボックスを買って何度も観るぐらい、大好きな番組なのですが、各分野で活躍している一流の方が紹介されているドキュメンタリーであります。
今は放送されていないそうですが、当時は茂木健一郎さんと住吉美紀さんが司会をされていました。
番組の中で「プロフェッショナルが使っている道具」を紹介する場面が毎回あります。
工具や調理器具だったり、制服だったり、筆記用具だったり・・・
毎回それを観るたびに「おお!」「かっこいい!」「さすが!」と思うわけです。
道具はしょせん道具に過ぎないかもしれませんが、現場で活躍している人が持っているのを見ると、単なる道具以上の輝きを感じることがありますよね。
それを見る人もそうですし、持っている自分自身にとっても、それを持っているだけで「心が奮い立つ」「プロ意識が目覚める」道具ってあると思います。
皆さんはそんな、持っているだけで自分の心を奮い立たせる、あるいは見る人の心を揺さぶるような道具は持っていますか?