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特別講義『成績を上げる授業論⑬』

授業中、学力がグッとつく時はいつ?

まず、「学力」をどう定義するのかというところから始めますが
この授業論では、学力=『定期テストの得点力』になります。

今回は、その学力がつくのは授業中のどの場面なのか・・・
・学力がジワジワつく時(前半)
・学力がグッ!とつく時(後半) の2本立てで、お話していきたいと思います。

◆学力がジワジワつく時

学力は問題演習中にジワジワついていく!

授業中を 「説明」 と 「演習」 の2つに分けるとすると
新しい内容を説明している時よりも、テストの得点力は「問題演習中」につきます。

  ※「説明」・・・導入説明  「演習」・・・問題演習(誤答の解説も含む)

いくら時間をかけて、ていねいに説明をしたからといって
問題演習を相当量こなしていかないと、学力はついていきません。

説明過多の欠点は下の2点が挙げられます↓

 ①説明した内容の「100%」を生徒は理解できない 
       ⇒なので、説明は長くせずに要点を含めた「7割」でOK!

 ②インプット(理解する)と、アウトプット(答えを出す)は別
   ⇒なので、説明後に必ず類題の演習をある程度させることが必要!

説明 2:8 演習 そして 期待正答率70% を以前に講義しました。
    

『導入説明よりも問題演習に多くの時間を費やし、問題演習では30%間違ってもOK!
 そして、その誤答フォロー(解き直し、解説)を行う中で学力はジワジワついていく』

  ↑ このスタンスで授業を行うことが大切です。

◆学力がグッ!つく時

さて、次に学力を一気にUPさせる授業の手法を2つ紹介します。

ただ単に、ワークやプリントをガンガン演習させるだけではなく、
プロの塾講師であれば、生徒の学力をより効率的につけられるような「ひと工夫」が求められます。

1.A→B→C→総まとめ(ABC)

これは、1つの授業内の段取りを表しています。(A・B・Cは問題領域です)
具体例を示すと、以下のようになります↓

<中2数学 1次関数の式の求め方>
  ①傾きが3で、(-1,3)を通る直線の式    ・・・A
                 導入説明+演習
           ↓
  ②切片が5で、(2,-1)を通る直線の式  演・・・B
                 導入説明+演習
           ↓
  ③(-2,6)と(4,2)を通る直線の式  習せ ・・・C
                 導入説明+演習
           ↓
  ④今日学習した3パターンの総まとめ      ・・・ABC
         ★仕上げとして3パターンを通して総復習

総まとめ(ABC)を授業終盤に入れることで、A問題の解法の忘れを防止でき、
ABCを全体的に、しっかりと準定着できます。    *第9回(準定着) 参照

2.確認テスト→誤答問題を再テスト

定期テストが近くなるとよく取り入れていますが
確認テストを実施し誤答フォロー後、別プリントで誤答問題の問題番号に印をつけ
誤答問題だけ再テストを行います。

学力が一気につくのは「弱点を補強した時」です。
苦手問題をつぶすことが、得点力UPの1番の近道になります!

※同じ問題を2回・3回・・・使うのも有効ですが
 数学の場合は、数字だけを変えた類題を別に用意し、それを再テスト用に使えます。

教育用語でいえば 「形成的評価」 と言われますが
この形成的評価(=そこまでの習熟度を確認し、以後の授業に生かすためのテスト)
を取り入れることが大切です。

形成的評価を行って弱点を見つけ、弱点問題を補強して下さい。
そして、その弱点問題をマスターしてもらい、
本番のテストに出たときには絶対に間違えない状態になるのが理想です。
                                =「補完」

ここでもちょっと具体例を示したいと思います↓

例えば、今日が定期テスト前ラストの授業だとします。

「英語のテストの点を1点でも多く上げたい!」と考えたときに
このラストの授業を、どのようにプランニングするか? ただ *第12回(授業プランニング)参照
  
まず基本的な確認ですが
〝テストの「範囲内」を問題演習させる〟←これは当然のことです。

※テスト範囲を意識せずに範囲外をやらせるのは論外です。

しっかり範囲内の問題を演習させるにしても、ただ問題を解かせるのではなく
確認テストを実施し弱点問題を補完することで、得点力は変わってきます!
   ∥
テストの内容は頻出問題にしてください。
同学年・同科目でも、生徒の学力や前回までの授業の進行具合で
生徒によって変わります。
テストに出やすい問題が多く、時間内に範囲全体を触れられるのがベストです。

*英語のテスト範囲がWarm‐up~Unit1②とします。
 下の◆は演習した問題の正答問題で、◇は誤答問題を示しています。

             Warm‐up①  Warm‐up②  Unit1① Unit1②
ただ演習させるだけ ◆◆◇◆◆◇◆◆◆◆◇◆
ただ演習せるだけ ◆◇◆◆◆◆◇◆◇◆
た 時間が足らず、Unit1の内容がテスト直前に全く確認できなかった↑

確認テスト後に補完  ◆◆◇◆◆◇◆◆◆◆◇◆◆◆◇◆◆◆◆◆ =確認テスト
ただ演習せるだけ     ↓    ↓       ↓      ↓補完
ただ演習せるだけ     ◆   ◆      ◆    ◆

「日頃から英単語など、確認テストをよくやってます!」
という講師は、よく見かけます。
ただ、テストを与えっぱなしで誤答問題の補強・補完を全然しないのはタブーです。
(確認テスト後の誤答フォローを怠る講師を今まで何人も見てきました)

丸つけして終わりではなく、丸つけ後の対応で学力の伸びは大きく変わることを
肝に銘じてもらいたいと思います。

◆次回(第14回)のテーマ  〝授業前の精神〟

綾瀬寺尾教室   ℡0467-79-1253
教室長 伊波(いなみ)

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